皆さんこんにちは。武長のタケマサです。
11連休も折り返しですね。道路の渋滞のニュースがあまり聞かれませんが、今年の連休は分散型なのでしょうか。まぁ、どこに行っても混雑しているよりいいかもしれませんね。昨今ではインバウンドの急増で外国人勘顧客の皆さんも増えていますから、国内の観光地はさらに混みあってしまうかもしれませんね。でも中には混雑でお祭り感を楽しむという方もみえます。それぞれに連休をお楽しみ下さい。
では、資金計画のお話です。住宅ローンを組む際に一番考えなくてはならないのは損得でしょうか…。そうではないですね。住宅ローンは2種類あります。その内自分たちのライフサイクル、サイフスタイルに併せて一番適した住宅ローンを選択する。これが一番目ですね。それが決まったら次です。ここで損得…ではないのです。危険回避、リスクヘッジを考えましょう。
住宅ローンを組んで何が一番怖いかとたずねると「旦那がポックリ逝っちゃうことかな」という答えが良く聞かれます。いえいえ、ポックリ逝ければ一番得ですよ。愛しい家族にローンのなくなった家を残してあげることができます。得って言ってしまうと怖いですけど。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、住宅ローンを借りると、団体信用生命保険、いわゆる団信に加入することになります。フラット35などは任意ですが、民間金融機関のローンでは保険料が金利に含まれていることがほとんどです。4大疾病保険付とか、夫婦連生型とか団信も多種多様化しています。ポックリ逝っちゃうとですね、この保険が適用となってローンの残債を返済してくれるのです。もちろん元気にしているのが基本ですが、リスクのことを考えると、債務者の死亡は住まいを守るうえでリスクにはなりませんね。
また、倒産やリストラ、減給という答えもあります。はっきり言って賃貸住宅にお住まいの方はこれがリスクになります。収入が無くなり家賃の滞納が始まります。敷金の取り崩しをしてくれたとしても、それが尽きたところで「出て行け!」ということになります。住居と住所を失い、路上生活に突入ということになりかねません。住所を失ってからの再就職はきついですね。家賃は待ってもらえない種類の支払なのです。
でも、持ち家の場合はどうでしょう。住宅ローンは債権債務の関係です。月々10万円の支払いが月々1万円になっても返済は生きています。再就職してちゃんと払えるようになったら払って下さいね。ということで、3年や5年は待ってくれます。ということは、家は守れます。住居も住所も失わなくて済みます。再就職活動についても、持ち家が住所ですから信用度が違いますね。金融機関から住宅資金を貸してもらえるちゃんとした人ですから。本人も頑張れますし、家族も安心です。そう考えると。倒産やリストラ、減給も住まいを守るうえでリスクとは言えなそうです。むしろ持ち家で良かった。買って良かったというところではないでしょうか。
では、本当のリスクは何か…実は病気で寝込むことです。倒産やリストラなら回収できますが、病気で寝込んでしまうと回収の余地が無くなってしまうのです。ですから、入院保険はしっかり入っておかなくてはいけません。入院保険ならなんでもいいかというと、やはり違います。チェック事項があります。よく「入院1日1万円」というフレーズを聞かれると思います。「入院1000日迄、1日1万円!」というようなものです。1000日というと2年と8ヵ月ちょっとでしょうか。これを連続で保険対応してくれるか。そうじゃないことが多いのです。注目点は1入院何日までかです。多いのは1入院60日までです。一つの病気で60日となると、1000日の保証を受けるためには17種類の病気を順番に、60日づつ入院するということになります。でも、60日の入院なら保険の力を借りなくてもできますよね。
もうお気づきでしょうか。病気で寝込むことの何が怖いか。「半年がたち、1年が経っても治らない。死ねない。貯金はみるみる減っていく。ポックリ逝ける人は幸せだなぁ。」という状態。これが一番怖いです。ですから、中長期の入院にしっかり備える必要があります。そう考えると理想的なのは1入院あたり730日カバーできる保険に入りたいところです。なぜ730日か。私たちは社会保障を受けることができます。入院して2年経っても治らない。社会復帰ができないというケースの場合、障害者1級に認定されることがほとんどです。これに認定されると先ほどお話ししました団信が対象となりますので、ローンは返済の必要が無くなります。また、障害者年金の受給資格を得ますから収入の道も開けます。保険は通常退院後に受け取るものですが、入院に関する費用などは保険を受け取ってから支払えるように貸し付けてくれるという制度も市町によってあります。大きな病院では、そのような制度の説明をしてくれる窓口もあります。
そう考えると、住宅ローンを組むにあたっては「ポックリ逝くこと」「倒産、リストラ、減給」「長期入院」も心配ない、怖くないということになりますね。「住宅ローンで家を買うぞ!」となると、「払っていけるかな、病気になったらどうしよう」などと漠然とした不安に駆られます。このシリーズを最初から読んでいただいている皆さん。思い出してみて下さい。お金という意味では「ローンを組んだらガマンの生活になる。旅行などのレジャーもNG」ということは無かったですよね。家計の見直しで貯金をしながら返済をして、お金も使えるという結果をご覧になりましたよね。そして今回、危険回避、リスクヘッジについて考えクリアできました。
「もう少しお金を貯めてから」とか「まだ若いから」など今まで「そうだよ、そうした方がいいよ」と言われてきたことをそのようにすると、その間に何が起こるかもお話ししました。今までなぜそういうお話を正しいと思われてきたのか。お金を貯めてからとか、まだ若いし早いよと助言してくれた方々は家づくりで成功してきた方々でしょうか。何をして成功・失敗とするかは考え方次第ですが、例えばご自身たちが思った通りガマンの生活になっているかそうでないか。旅行に誘ったときに行けているかそうでないかなど。資金計画の成否はそこではないでしょうか。
客観的事実に基づいたしっかりとした計画が大切ですね。ローンを組んだら…となるかローンを組んでも!となるかの差はこの辺りではないかと思います。住宅ローンに関して損得はこの後で考えましょう。まさに二の次なのです。だから経済学者さんたちが言うことはあまり真に受けないで下さい。ローンは金額も返済期間も最小最短で」これはリスクが加速する考え方です。このノウハウに忠実に従った場合に起こり得る、本当に怖い話があります。
Aさんは奥さんと共働き、お子さんが2人の幸せな一家です。ご夫婦で頑張った結果ついにマイホームの計画に踏み切りました。そんな時、住宅雑誌を見たらよくテレビにも出ている経済学者の先生が「金利を余分に支払わないためにも、借り入れる金額を少なくしましょう。返済期間も繰り上げ返済をして最短にしましょう。そうすれば〇〇万円もお得です!」という記事を載せていました。なるほど!ということで、同居予定のご主人のご両親に支援をお願いして預金を住宅資金に充ててもらいました。ご自身たちの預金の大部分も住宅資金に充てて借入金額を圧縮しました。そして念願のマイホームを手に入れたのです。
そんなある日、マイホームを手に入れて繰り上げ返済のために、寝るまも惜しんで張り切って働いていたご主人が朝になっても起きてきません。奥様がそっと部屋をのぞくとまだお布団の中です。「きっと疲れているんだろう。もう少し寝かせてあげよう。」と思い、ご家族は先に朝食を食べることにしました。もう出勤しなくてはならない時間だと思い奥様はご主人をおこしに行きます。すると、ご主人はお布団の中で冷たくなっていたそうです。このご夫婦、住宅を購入される際にフラット35を利用しました。団信が任意ということで、保険料分も返済資金に充てるということで加入していません。結果、ご主人が無くなってもローンは残ります。そこで、今までご夫婦で背負ってきたものを奥様お一人で背負うことになります。でも、そんなことは永くは続きません。やがて奥様も過労で倒れて帰らぬ人に…。それでもローンはのこります。ご両親は持てるお金を住宅資金として援助してしまいましたから預金がありません。繰り上げ返済ばかりしてきましたので、ご夫婦も預金は残してはいません。選んだ道は、住宅を売却してローンの返済に充て、生命保険は引っ越し費用に使い残りは子供たちの将来のために残すことにして賃貸住宅に移りました。今はおじいさんとおばあさんの年金で暮らしています。
これが最悪のシナリオです。損得にこだわった結果です。でも、一時流行ったこういったノウハウで起こりうる悲劇です。自己資金を最大使って、預金もせずに繰り上げ返済を行い〇〇万円を得しようとした結果です。経済学者さんなどのこういったノウハウは机上論なのです。生活に即しているものではありません。信じるなとは言いませんが、そのまま実行していいとも思えません。皆さんはどうお考えでしょうか。
わーっ!今までで一番長くなってしまったのではないでしょうか。読んで下さった皆さん。本当にありがとうございます。毎回なるべく短くまとめようと思うのですが、すみません。でも、必要なことをお伝えしているつもりです。何日かに分けてもいいと思いますので、是非読んでみて下さい。次回は短くなるようにまとめたいと思います。ありがとうございました。
これを読まれてご興味を持たれた皆さん。資金計画は十人十色です。全員一律ではありません。ご家庭によって「ウチは車にはこだわらないけど、旅行が好きでね」とか「食べるものはどうでもいいけど自動車にはこだわりたい」など。家計の形もそれぞれです。そのあたりから始める資金計画もありですよね。ぜひお話しさせて下さい。お問い合わせはお気軽に。
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